汐の赤ちゃんの父親に、僕はなるッ!
あの出来事から8ヶ月が過ぎようとしていた。
僕らは仲が悪くなるどころか毎日べたべたしっぱなしで、夫婦みたいなんて言われてる。

隣で、ユサユサと揺れる幼馴染の大きなお腹。
日に日に大きくなる中身はもう、再来月には出産だ。
僕はこの子の父ちゃんになるんだ。
自分の子供じゃないという事は、この際置いておこう。

そういえば、汐を見る町のおじさんたちの目が変わった気がする。
ジロジロと粘りつくような、「女」を見るような視線。
当の汐は気にした様子は無いけれど・・・

少し前から、汐は僕の為に花嫁修業に参加してるけど、関係あるのかな。
寄合所で夜な夜な行われている花嫁修業って一体・・・?

ボーイッシュで日焼け跡が残る幼馴染が、僕以外の男達に……!
汐(うしお)と颯太(そうた)……
あの頃の夏休み、僕等は毎日のように一緒だった。
いつまでもこの時が続くと思っていたけど、いつの間にか僕達は成人になっていく。
心と体が成長するにしたがって、親友だった幼馴染を異性として意識する。
でも、あいつの『女』の身体に興味を持ったのは、当然だけど僕だけじゃ無かった。
男達の視線に相変わらず無頓着な汐に、僕は毎日やきもきする。

夏風邪で寝込んだ時も、幼馴染の夢ばかり見ていた。

そんな時、会えなかった一週間の出来事を克明に記録した映像が届く。
幼馴染と従兄達の間に何があったのかを知った時、僕は……